本わさびとの出会い
父がわさびの仲買いの仕事をしており、私が生まれた時から周りにはわさびがあるのが当たり前でした。その頃はまだ、わさび栽培はほとんど行っていませんでした。栽培を本格的に始めたのは私の代からです。本格的にわさび栽培を始めたきっかけは金印の小林元次初代社長でした。その頃金印は粉わさびを主に取り扱っていたのですが、生わさびにも力を入れたいとお誘いを受け、資金の援助を行っていただき、わさび栽培を始める事が出来ました。
- 収穫したての本わさび
本わさびの栽培風景
清らかな水での本わさびの栽培
わさび栽培は苗から始まります。金印さんや静岡県から実生の苗を仕入れ、4~10月の期間で少しづつ苗を植えていきます。秋頃になると静岡の苗がなくなってしまうので地元から仕入れたり、金印さんの品質の高いバイオ苗を仕入れたりします。わさびは、お米などと違い一度に収穫するのではなく、長期間にわたって徐々に収穫します。最近ではハウス栽培を行う事で、わさびに適した水温を保てるようになり、1年をとおして質の良いわさびの収穫、栽培が行えるようになりました。
わさびは苗を植えてから収穫するまで1年2カ月~1年半かかります。
金印の技術でつくられたバイオ苗
金印の技術でつくられた実生苗
繊細な本わさびづくり
わさびはとても繊細な野菜です。光を浴び過ぎてしまうとダメになってしまい、日陰の方が育ちます。かといって全然光を浴びせないと小さいものしかできません。米の反比例とよく言われるように、米が豊作の年はわさびは不作、わさびが豊作のときは米が不作になっています。水温は13℃~15℃間で一定を保たなければなりません。また畑の水位が高いとエビが発生してしまい、わさびを食べてしまったり青みどろやコケが生えてきて、わさびが育つ邪魔をしてしまいます。雪が多い年は水位が増えてしまうので管理が大変です。このようにわさびづくりは自然との闘いでもあります。
本わさびの収穫の様子
本わさびについている土を水で洗い流している様子
収穫したての本わさび
本わさびの出荷作業の様子
88歳の方も、わさびパワーで元気に働いています
出荷前の本わさび